BNFゲル

2019年度より使用開始の高校教科書、化学・新編化学(東京書籍)に掲載されます。

要点

  • 市販のベーマイトナノファイバーを用いて作製する早瀬独自の構造体。
  • 最小で1 mg cm−3に肉薄する超低かさ密度。
  • エアロゲルでは超低かさ密度なのに10 mm厚で90%以上の可視光透過率(λ=550 nm)をもつため、上に乗せた物体が浮いて見えるほどの超低屈折率(未測定)を実現。
  • 凍結乾燥でも透明材料を作製可能。

BNFエアロゲル

簡易なプロセスで超低密度で透明な究極材料を作製したい、ついでにBack to the Future Part IIネタを披露したいという趣味目標の下、新しい構造体を作りました。
BNFエアロゲル近年、超低密度エアロゲル(<5 mg cm−3)の研究が盛んに行われています。ベーマイト(AlOOH)ナノファイバーでできたこのエアロゲルは、超低密度(最小1.2 mg cm−3、「透明な」固体としておそらく最低記録)と高い可視光透過率(10 mm厚で90 %以上)を両立させた材料です。屈折率が非常に低いため、乗せたものが浮いているかのように見えます。

超撥水・超撥油性BNFaerogel作製法はとてもシンプル。市販のBNF分散液を塩基でゲル化させ、溶媒交換をした後に超臨界乾燥を行うだけ。ナノファイバーでできた表面に凹凸をもつ構造体であるため、簡単な表面処理(フルオロアルキルシランをCVD)で水も油もよくはじくようになります。

BNFクライオゲル

真空凍結乾燥法(フリーズドライ)を用いてBNFエアロゲルのような透明低かさ密度多孔体(ビーズ)を作ることができるようになりました。分散媒をtert-ブチルアルコール(TBA)にしたBNFゾルを液体窒素に滴下して瞬間凍結することで、分散媒の結晶成長にともなう構造破壊を防ぎ、TBA昇華後には超低密度(最小1.1 mg cm−3)かつ透明なビーズが残ります。既発表では数mm大のビーズに限られていますが、より大きな形状での作製も可能です。

凍結真空乾燥中は、ゲル内部のTBAが昇華して透明に変化していく様子を直接観察できます(チャンバー越しに微速度撮影)。

かさ密度があまりに低いため、わずかな風でも空気中に漂う(そしてほとんど目に見えない)というユニークな材料です。

論文

  • [オープンアクセス] Gen Hayase, Kazuya Nonomura, George Hasegawa, Kazuyoshi Kanamori, and Kazuki Nakanishi, “Ultralow-Density, Transparent, Superamphiphobic Boehmite Nanofiber Aerogels and Their Alumina Derivatives”, Chem. Mater. 2015, 27, 1, 3–5.
    doi:10.1021/cm503993n
  • Gen Hayase, “Facile fabrication of ultralow-density transparent boehmite nanofiber cryogel beads and their application to a nanoglue”, ChemNanoMat 2017, 3, 3, 168–171.
    doi:10.1002/cnma.201600360

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