BNFゲル

BNFエアロゲル

簡易なプロセスで超低密度で透明な究極材料を作製したい、ついでにBack to the Future Part IIネタを披露したいという趣味目標の下、新しい構造体を作りました。
BNFエアロゲル近年、超低密度エアロゲル(< 5 mg cm−3)の研究が盛んに行われています。ベーマイト(AlOOH)ナノファイバーでできたこのエアロゲルは、超低密度(最小1.2 mg cm−3、「透明な」固体としておそらく最低記録)と高い可視光透過率(10 mm厚で90 %以上)を両立させた材料です。屈折率が空気に近いため、乗せたものが浮いているかのように見えます(ほとんど写らないためかなり強い光を当てて撮影しています。)

超撥水・超撥油性BNFaerogel

作製法はとてもシンプルです。市販のBNF分散液を塩基でゲル化させ、溶媒交換をした後に超臨界乾燥を行うだけのプロセスです。ナノファイバーでできた表面は凹凸をもつため、簡単な処理(フルオロアルキルシランをCVD)で水も油もよくはじくようになります。

BNFクライオゲル

真空凍結乾燥法(フリーズドライ)を用いてBNFエアロゲルのような透明低かさ密度多孔体(ビーズ)を作ることができるようになりました。分散媒をtert-ブチルアルコール(TBA)にしたBNFゾルを液体窒素に滴下して瞬間凍結することで、分散媒の結晶成長にともなう構造破壊を防ぎ、TBA昇華後には超低かさ密度(最小1.1 mg cm−3)かつ透明なビーズが残ります。かさ密度があまりに低いため、わずかな風でも空気中に漂う(そしてほとんど目に見えない)というユニークな材料です。

凍結真空乾燥中は、ゲル内部のTBAが昇華して透明に変化していく様子を直接観察できます。下の動画はチャンバー越しに微速度撮影したものです。

希薄な骨格からなる湿潤ゲルをうまく凍結することで、より大きな透明モノリスの作製も可能になりました。蛍光分子を加えた発光体などへの応用が考えられます。(デモンストレーションとして)体積型3Dディスプレイの発光体として用いることができます。

エアロゲルと比べた際の光学特性や歩留まりの低さなどの課題はありますが、凍結乾燥で透明エアロゲル状の材料が作製可能である点はナノファイバーゲルの大きな特徴といえます。

論文

  • [オープンアクセス] Gen Hayase, Kazuya Nonomura, George Hasegawa, Kazuyoshi Kanamori, and Kazuki Nakanishi, “Ultralow-Density, Transparent, Superamphiphobic Boehmite Nanofiber Aerogels and Their Alumina Derivatives”, Chem. Mater. 2015, 27, 1, 3–5.
    doi:10.1021/cm503993n
  • Gen Hayase, “Facile fabrication of ultralow-density transparent boehmite nanofiber cryogel beads and their application to a nanoglue”, ChemNanoMat 2017, 3, 3, 168–171.
    doi:10.1002/cnma.201600360
  • [期間限定オープンアクセス] Gen Hayase, Takuya Funatomi, Kota Kumagai “Ultralow-Bulk-Density Transparent Boehmite Nanofiber Cryogel Monoliths and Their Optical Properties for a Volumetric Three-Dimensional Display”, ACS Applied Nano Materials 2018, 1, 1, 26–30.
    doi:10.1021/acsanm.7b00097

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平成30年度用 高等学校教科書