マシュマロゲルの作製

リットルスケールで作製したマシュマロゲル

マシュマロゲルはゾル-ゲル反応により得られます。[1] 再現性が高く、高校・大学での授業テーマとしても扱われています。基本的な作製手順は以下の通りですが、尿素の代わりにアンモニア水を使って室温で作製したり、[2] テトラメトキシシランを共重合させて界面活性剤フリー水溶液系での作製も可能です。論文発表毎にマイナーアップデートを行なっています。[3]

作製例

試薬

  • 5 mM 酢酸水溶液: 1500 mL
  • 尿素: 500 g
  • n-ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド (CTAC): 100 g
  • メチルトリメトキシシラン (MTMS): 300 mL
  • ジメチルジメトキシシラン (DMDMS): 200 mL

手順

  1. ケイ素アルコキシド MTMS・DMDMS、尿素、界面活性剤 CTACを酢酸水溶液に溶解し、30分間攪拌する(アルコキシドの加水分解)。
  2. 密閉容器に反応液を移して80 °Cで6時間程度ゲル化・エージングを行う。
  3. 水・アルコールに浸漬して洗浄する。
  4. 蒸発乾燥を行う。
マシュマロゲル作製時の反応
マシュマロゲルの微細構造

参考文献

  1. Hayase, G.; Kanamori, K.; Nakanishi, K. New flexible aerogels and xerogels derived from methyltrimethoxysilane/dimethyldimethoxysilane co-precursors, J. Mater. Chem. 2011, 21, 17077–17079.
    doi:10.1039/C1JM13664J (ポストプリント)
  2. Hayase, G.; Nomura, S. M. Macroporous Silicone Sheets Integrated with Meshes for Various Applications, ACS Appl. Polym. Mater. 2019, 1, 2077-2082.
    doi:10.1021/acsapm.9b00382 (ポストプリントACS Articles on Request)
  3. Hayase, G. Surfactant-free Aqueous Fabrication of Macroporous Silicone Monoliths for Flexible Thermal Insulation, Bull. Chem. Soc. Jpn. 2021, 94, 2210-2215.
    doi:10.1246/bcsj.20210189 (ポストプリント)